トレンドインフォ部

気になる旬の話題・知りたい情報について発信していきます。

はんこの起源は古代メソポタミア!?日本に浸透するまでの歴史解説!

f:id:dolphin01ch:20201024203745j:plain

荷物の受け渡しや仕事など、
まだまだ日本では頻繁に利用されている
はんこ』。

最近では、100円ショップなどでも
買えるほど手軽な存在になってきましたが、
このはんこを巡ってのニュースを
あなたも見たことはありませんか?


『誰でも安価で買えてしまう』
はんこは偽造もしやすく、
セキュリティ面に不安があるため、
重要な書面等ではんこを使用しなくても
よくするという動きですね。

確かに海外ではサインが主流ですし、
万が一の場合筆跡鑑定ができる
サインの方が情報保護の面を考えると
適していると筆者も考えています。


では、はんこはいつどこで誕生し、
日本にやってきたのでしょうか?


原始的なはんこが誕生したのは
紀元前6000-7000年前の
古代メソポタミアに遡ります。

当時は粘土板などに
押印されていたようですね。


日本には西暦57年ごろに中国を介して
持ち込まれました。

1784年に九州で出土した『漢委奴国王』の金印が
日本最古のはんことして
教科書に載るほど有名ですね。

  

2分で解説!はんこの歩んできた歴史!

f:id:dolphin01ch:20201024203753j:plain

古代メソポタミアの地で誕生した
原始のはんこは、今のように
印面に文字を掘った物ではなく、
筒型の側面に模様を刻んだデザインでした。


『粘土の上を転がして模様をつける』
という使い方で、
権力者が書簡を封かんした際に印を押す、
という用途だったため、
庶民が持つことはありませんでした。

このはんこはメソポタミアの地で発展し、
エジプト・ギリシャ・ローマへと
伝わっていきます。


その後、
シルクロードを通じてアジアへも伝わり、
秦(中国)の始皇帝が積極的に政治に利用することで
さらに発展を遂げました。

始皇帝は、
印鑑用の書体に「篆書体」を定め、
正式に統一しました。

その後の漢の時代で
さらに広く利用されることとなり、
皇帝からの信頼の証や統治の証として
諸国の王に授けられるようになりました。

 

一方で欧米ではサインが一般化し、
はんこ文化は急速に衰退していったのでした。

前述の通り、
日本にはんこが伝来したのは中国からなのですが、
諸外国と同様、
庶民の間で使用されることはありませんでした。


奈良時代のはんこは、
公印(官庁・公署の印)のみ使用が許され、
個人が使うはんこは国家の許可が必要だったのです。

その後、
平安時代に移ると藤原家などの有力貴族
私印(個人のはんこ)の使用が許可されたのでした。

個人がはんこを押すようになったのは
鎌倉時代以降と考えられていますが、
この時も主に使用したのは武士のみと、
一般庶民には無縁のものだったのです。


庶民間で広く使い始めたのは
江戸時代まで時代が進みます。
商業や貨幣が発展し、それと共に
はんこの利用頻度が増え、庶民の生活に
密接になり始めたのでした。

 

日本のはんこ文化はめずらしい!?浸透したきっかけは?

f:id:dolphin01ch:20201024203758j:plain

ここまではんこが
社会活動の中に浸透している国は珍しいのですが、
そのきっかけとなった制度があります。

それは、明治6年(1873年)10月1日に発布した、
明治新政府が『太政官布告』です。


この『太政官布告』の中に、
「本人が自書して実印を押すべし。
自書の出来ない者は代筆させても良いが
本人の実印を押すべし。」と
『サインに実印を押捺すること』
発布したことが大きなきっかけと
なっていることは間違いありません。

 

まとめ

f:id:dolphin01ch:20201024203748j:plain

はんこって文化、筆者は好きです。

学生時代に銀行口座を作る時に
初めて実印を作ったのですが、
あの独特の書体で作られる自分だけの印鑑は、
「少しだけ大人に近づいた」と
感じさせてくれたものです。


しかし社会人になったころには
重要な書類の回覧に押印されるはんこに
恨めしさを感じたことが多々あります。

「いまはんこ持ってないから
回覧は後にして」なんて上長に言われた時には
「サインで良くない⁉」と憤ったことが
何度もありますから。 (笑)


文頭に記載した通り、
はんこは100円ショップで
誰でも買えてしまうので
ビジネスシーンや契約時などに使うには、
もう適さない時代が到来している
と私は思っています。

半面、若い頃に
初めて実印を持った時に感じた特別感も、
かけがえのないものだと思います。


はんこには、完全に廃するには
もったいない歴史が詰まっています。
適宜必要なシーンで活躍できるよう、
上手く存続してほしいなと思います。